【完全版】SciSpaceの機能や料金は?論文検索・読解を効率化するAIツールを現役研究者が解説
この記事では私たち研究者に特化したAIツール「SciSpace」をご紹介します。
「論文を読むのに時間がかかる」
「欲しい論文、ぜんぜん見つからない…」
「ChatGPT、DeepL、Consensus…いろんなツールを行き来して効率が悪い!」
これらの悩みはSciSpaceで解決できます。
【SciSpaceを使うメリット】
- 論文を読むスピードが2倍になる
- 最適な論文が最速で見つかる
- SciSpaceにツールを一本化し作業フローを改善。
さまざまなツールに課金していると費用も積み重なりますが、SciSpaceは月額1,000円程度で利用できます。
この記事ではSciSpaceの詳細について詳しくまとめていきます。
SciSpaceを始めたばかりの方で、使い方にお困りの方は「SciSpace使い方ガイド」へ
SciSpaceとは?
SciSpaceは特に論文を読むときにとても強力なサポーターになる研究者に向けたAIツールです。
その他にも、論文検索、英文執筆など、多彩な機能を搭載しています。
SciSpaceの機能5選
早速、SciSpaceの機能5選を紹介していきます
【SciSpaceの機能のまとめ】
おすすめAIツールのご紹介です
SciSpaceの機能(1):読解サポート
論文を読むときに、SciSpaceを使うと何が良いの?
まとめると以下の4点です。
- 欲しい情報だけ抽出できる
- 不明ワードをチャットで質問できる
- 難しい箇所を日本語へ翻訳や要約してくれる
- 図表や数式を解説してくれる
私たちが論文を読むのに時間がかかってしまうありがちな例…
「この論文に○○が書いてあったはず…(見つからない)」
「この英単語の意味なんだ?…(翻訳ツールへ移動)」
「〇〇(専門用語)って?…(ググる)」
これらの無駄な時間をSciSpaceがゼロにしてくれます。
実際の作業画面は以下の図です。
\こんな見栄えです/
では、読解サポートについてひとつずつ確認していきます。
読解サポート1:欲しい情報だけを抽出できる
「患者群の病態ステージは?」
「〇〇の実験では何の試薬を使ってた?」
このようにピンポイントの情報だけが欲しいときはチャットスペースに質問を入力。
たった10秒でアウトプットしてくれます。
利用頻度の多い項目であれば、チャットスペースにあるボタンをクリックするだけ。
なんという心遣い…
読解サポート2:不明ワードをチャットで質問できる
「〇〇(専門用語)ってなに?」
不明な専門用語があると、調べるために論文を離脱しがちです。
SciSpaceであれば、チャットスペースで引用付きで信頼のある回答を瞬時に返してくれます。
読解サポート3:難しい箇所を日本語へ翻訳や要約してくれる
「この段落、何言ってんのかさっぱり!」
専門用語ばかりの難しい英文は、日本語へ翻訳や要約してもらえます。
ドラックで選択するだけです。
読解サポート4:図表や数式の解説
「この図が意味していることが、全然わからない…」
最も驚くべき機能が図表や数式の解説。
ドラッグで選択すれば、どのような形式の図でも解説してくれます。
有料版ではかなり精度も良いです。
この凄さはぜひ万人に体感してもらいたいので、あらゆる解説例をご紹介していきます。
クリックして確認して見てください。
Figureの解説例(クリックで見れます)
(解説例1)
(解説例2)
Tableの解説例(クリックで見れます)
図解の解説例(クリックで見れます)
複雑なFigure群の解説例(クリックで見れます)
※個々の図を選択することでより詳しい解説が得られます
SciSpaceの読解サポートまとめ
以上がSciSpaceの読解サポートです。
これらの機能を駆使することで、体感では論文を読むスピードが2倍くらい速くなります。
このすごさを体感したい方はぜひ下のリンクからお試しを。
注意点として、お試しの無料版だとCopilotの品質は見劣りすることを改めて申し添えておきます(特に図表の解説)。
SciSpaceの機能(2):論文検索サポート
論文検索にSciSpaceを使うと何が良いの?
まとめると以下の3点です。
- リサーチクエスチョンに対して引用付きサマリーがみれる
- 各論文の考察と結果が一目でわかる
- 詳細が気になる論文についてはCopilotに個別に深掘り
論文探しって沼にはまりがち。
「必死にスクロールしてるのに良い論文が見つからない」
「だんだん何を探してたのか分からなくなってきた…」
つ、疲れる….
SciSpaceでは最適な論文を最速で見つけることが可能です。
早速、SciSpaceのトップページから検索したいクエスチョンを打ち込みます。
「初期段階の肺がん患者に対する放射線療法の効果を検証した研究を探して。総説以外、5年以内、なるべく大規模なものをピックアップして(適当です)」
このように盛り込みたいキーワードを気楽に文章に入れるだけ。
これまでのキーワード検索のように「検索意図が伝わらなくて検索結果がカオス」なんてことは少なくなりました。
今までの論文検索 | SciSpaceでの論文検索 |
---|---|
キーワードを組み合わせて入力 ↓ 検索意図が伝わりにくい | リサーチクエスチョンを文章で入力 ↓ AIが検索意図を汲んでくれる |
検索サポート1:リサーチクエスチョンに対して引用付きサマリー提示
検索を実行すると、まずリサーチクエスチョンに対して引用つきのサマリーが提示されます。
そのまま引用元の文献へ移動もできます。
検索サポート2:各論文の考察と結果が一目でわかる
検索結果画面では、図のように考察や結論などが自動でテーブル化されています。
どのような実験をして、どんな結果になったか、分かりやすく表示されています。
「わざわざ文献ページに移動してアブスト読んだのに、なんか違う!」というありがちな時間の無駄遣いはなくなります。
検索サポート3:詳細が気になる論文についてはCopilotに個別に深掘り
検索結果を確認するなかで、特定の論文の詳細がさらに気になった場合にはAIで個別に質問できます。
SciSpaceの機能(3):論文からデータを抽出しテーブルを作成(ライブラリー内)
SciSpaceにはアップロードした論文のPDFから内容を抽出し、要素に分けてテーブルを作成してくれる機能があります。
- 論文の内容が一目でわかる
- 関連論文の比較
デーブルのメリット1:論文の内容が一目でわかる
ライブラリーの画面は以下です。
論文情報だけでなく結果や方法などの各項目(編集可)ごとにリスト化されています。
抽出要素は以下のような項目があり、選択式でいつでも変更可能です。
- 結論
- アブストラクトの要約
- 結果
- イントロの要約
- 実験手法
- この研究の限界など
- 自作の要素も作成可能
文献管理ソフトなどで羅列された文献タイトルだけみても「この論文なんだっけ?」ってなりませんか?(私はなります)
このようにライブラリー内でリスト化されていると一目でその論文の内容がわかります。
デーブルのメリット2:関連論文の比較
ライブラリーはフォルダで論文を仕分けることができます。
フォルダの効果的な活用方法は「比較したい論文をフォルダごとにまとめる」
例えば、「実験方法について参考にした論文」だけのフォルダを作れば、各論文の方法を一覧で比較することができます。
SciSpaceの機能(4):論文からショート動画やスライドを自動生成
SciSpaceにはPDFをプレゼン資料やショートムービー(ナレーション付き)へ自動変換する機能がついています。
自分の発表論文について急なプレゼンが必要になった場合やSNSなどでシェアするときに非常に便利です。
ショートムービーの実際の作成例
ぜひクリックして再生してみてください。
たった5分ほどで自動作成された動画です。
ナレーションも自動で音声化されています。
プレゼン資料の実際の作成例
PDFから自動で作成されたプレゼン資料もご紹介します
こちらもぜひクリックして再生してみてくださいね
右の欄にはプレゼン発表用の台本まで自動で作られています
学会発表のスライドを作成する際の参考にしても良いですよね。
SciSpaceの機能(5):執筆サポート
SciSpaceには執筆のサポート機能も搭載されています。
- AI Writer
- パラフレーザー
- 引用生成
執筆サポート1:AI Writer
新しく搭載された機能です。
まもなく本文を追加しますのでお待ち下さい。
執筆サポート2:パラフレーザー
パラフレーザーは、モードを選択することで英文の用途に合わせた言い方に書き換えてくれます。
ネイティブではないと、英文の微妙なニュアンスの違いを書き分けることは難しいですよね。
パラフレイズのモード:
- Academic
- Fluent
- Formal
- Creative
など他にも多数
自分で書いた英文が気になるときにパラフレーザーを使ってみてくださいね
執筆サポート3:引用生成
SciSpaceには引用生成機能も付いています。
画面左で対象となる文献を検索し、画面左で必要なスタイルを選択すると、必要に応じた引用を生成してくれます!
ここまでSciSpaceの機能5選を紹介してきました。
SciSpaceだけでPCワークのツールが集約できることが最大のメリットともいえますね!
Scispaceはなんでも揃ってますね
【SciSpaceの機能のまとめ】
SciSpaceの料金プラン
SciSpaceには3つの料金プランがあります。
- 無料プラン
- 有料プラン(個人契約)(月額7.2ドル~)
- 有料プラン(チーム契約)(月額5ドル~)
有料プランの料金
(個人契約) | 有料プラン(チーム契約) | 有料プラン|
年間プラン | 12ドル/月 ↓ \プロモコードで40%OFF/ コード:ACADEMIA ↓ 7.2ドル/月 | 2 – 10人:8ドル/月/人 11 – 25人:7ドル/月/人 26 – 50人:6ドル/月/人 51 – 300人:5ドル/月/人 |
月間プラン | 20ドル/月 ↓ \プロモコードで20%OFF/ コード:ACADEMIA20 ↓ 16ドル/月 | 2 – 10人:18ドル/月/人 11 – 25人:16ドル/月/人 26 – 50人:14ドル/月/人 51 – 300人:11ドル/月/人 |
有料プラン(個人契約)の料金
プロモコードをご利用いただくことで、年間プランであれば月額1,000円程度で有料プランをご利用できます。
有料プラン(チーム契約)の料金
SciSpaceには個人契約以外にもチームで契約する方法があります。
もし11名以上メンバーが集まるようであれば、個人契約×プロモコード利用(月額換算7.2ドル)より安くなります。
- 【個人契約】プロモーションコードを利用して、月額7.2ドル
- 【チーム契約】11名以上のチームで契約すると、一人あたり月額7ドル以下
メンバーが10名以上集まらない場合はプロモコードを利用することで個人契約の方がお得です。
SciSpaceの無料プランと有料プランの違い
SciSpaceを日常的に利用するのであれば有料プラン一択です。
理由はAIの精度が圧倒的に違うから。
アウトプットの差については後述しています。今すぐ見る
- 無料プランでもSciSpaceのほぼ全機能を利用できる
- しかし、無料と有料プランでは、全てのアウトプットに圧倒的な差がある
有料プラン | 無料プラン | |
---|---|---|
Copilotの性能 | 高品質 | 劣る |
論文検索 | サマリーや論文情報が高品質 検索意図が満たされやすい | 利用可 |
読解サポート機能 | 要約や図表解説の精度が圧倒的に高まる | 全ての読解機能を利用可 |
PDFデータを自動リスト化 | より精度の高いリスト 関連論文の比較に便利 | 利用可 |
ショート動画・スライド生成 | 利用可 | 利用可 |
パラフレーザー | 文章がより洗練される | 利用可 |
その他の機能 | 無料プランの全ての機能に加えて、 専用サポート データエクスポート機能 が利用可 | ライブラリー お気に入り機能 が利用可 |
Scispaceの便利なところ
日本語で閲覧やチャットができる
Copilotの言語設定にて日本語をデフォルトにできます。
- 論文の検索結果
- PDFから情報抽出
- 論文読解時のサポートチャット
- 論文ライブラリー
違和感のない日本語で出力してくれるので作業が捗ります。
Google Chromeの拡張機能がある
SciSpaceはGoogle Chromeでの拡張機能としても利用できます。
SciSpace以外のWebページを開いていても、右サイドにSciSpaceのチャットスペースを呼び出せます。
これはすごく便利ですね
Zoteroと連携できる
SciSpaceはZoteroと連携させることができる点も嬉しいです。
- 読みたい論文をZoteroから直接アップロード
- 保存したい論文をSciSpaceの検索結果からZoteroへ直接ダウンロード
PDF移動の手間が省略されるのは本当にありがたい!
アップロードした論文は自動的にライブライリーに保存される
アップロードした論文は自動的にライブラリーに整頓されています。
再度読み直したいときにも再アップロードの必要がありません。
しかも、項目ごとに情報を抽出してリスト化されているので、どのような内容の論文だったかすぐ判別できます。
SciSpaceの惜しいところ
無料版のCopilotでは物足りない
SciSpaceは非常に優秀なツールなのですが、惜しい点を挙げるとしたら「無料版のCopilotでは物足りない」こと。
仕方ないのかもしれませんが、無料版と有料版では明らかにCopilotの性能に差があります。
特にFigureの解説においては差が歴然です。
論文の要約でも同様ですね。
差は歴然。
こればかりは仕方ありません。
月額1,000円、払いましょう。
Scispaceの始め方
Scispaceの始め方は以下の2通りの方法があります。
- Googleでログイン
- アカウント作成
・名前
・メールアドレス
・パスワード
を入力しサインアップ
SciSpaceをアップグレードする方法
アップグレードする場合はスタート画面右上の「Pricing」をクリックします。
以下では個人で契約する場合のステップをご紹介します。
月額プランより年額プランの方が圧倒的に安いです。
プロモーションコードの欄に「ACADEMIA」と入力します。
57.6ドルが割引され、年額で86.4ドルとなります。
つまり月額7.2ドル。これで最安値で利用できます。
まずは月額プランで試したい方は「ACADEMIA20」で20%オフになります。
SciSpaceの使い方ガイド
以下の記事では、SciSpaceを始めたばかりの方に向けて、その使い方を5つの目的別に解説しています。
SciSpaceの類似ツール
Consensus
Consensusは精度の高い論文検索で非常に有名です。
「Consensus meter」など分野の主流の意見を確認できる唯一無二の機能が超有用です。
論文読解サポートなどその他の機能は搭載していません。
SciSpaceと併せて使用することをおすすめします。
以下の記事で解説しています。
Scisummary
Scisummaryは科学文献に特化した論文読解サポートツールです。
論文検索などのその他の機能は搭載していません。
論文を精度の高い要約を作成して、メールに送ってくれるので、膨大な論文の概要をすばやく把握したいときなどにすごく便利です。
最近ではこれまではSciSpaceにしかなかった「図の解説」機能も追加されました。
詳しくは以下の記事で解説しています。
SciSpaceについてよくある質問
\SciSpaceに関してよくある質問のまとめ/
- SciSpaceって?
-
研究に関連するさまざまなツールが揃うAIサービスです。具体的には、論文検索、論文読解、論文レビュー、パラフレーザーなどその機能は多数です
- SciSpaceの最も魅力的な機能は?
-
論文読解サポートです。論文を読み進めながら、Colipotとやり取りをすることができます。不明な内容についての質問、要約、図や表の解説などのサポートを受けることで、論文の理解度と読解速度が格段に上がります(こちらで解説)
- ChatGPTなどの生成AIとの違いは?
-
より研究者に即したプラットフォームになっており、研究関連作業にツールが揃っています。読んだ論文を整理しておくライブラリー機能も備わっています。
- 有料版にアップグレードする必要はあるか?
-
無料版ですべての機能は使えます。しかしながら、日常的にSciSpaceを使う場合は、Copilotの性能が高い有料版がおすすめです。(こちらで解説)
- SciSpaceの有料版は高い?
-
クーポンコードを使用したり、多数でチーム契約することで月額7.2ドル以下で利用できます。多彩な機能を備えているツールなので、コスパは非常に良いです(こちらで解説)
Scispaceのまとめ
- 論文に関係するあらゆる作業を大幅効率化
- とりあえず無料で試してみるのはありだが、有料プランとの品質の差は歴然
- 有料プランでも月額1000円ほど
- 研究者・大学院生にとって日常のパートナーとしておすすめ
研究者にとっては日常的に非常に便利なScispace!
このようにAIを上手く使うことで研究効率を最大化しましょう。
まずは無料プランから利用してみてください
詳しい使い方については別の記事でご説明しています。
\インスタでもまとめてます。ブクマ代わりにフォローがおすすめ/
その他の研究ハック!
研究者・大学院生が使うべき必須ツール32選
他にも研究に便利なAIツールをまとめています。併せてよんでみてくださいね。
圧倒的コスパで英会話スキルを向上!
1研究室に1アカウント必須!引用チェックツール「Scite_」の絶大な効果とは
大量の論文を読み漁る必要があるフェーズの研究者に!論文の抄読数が倍層する科学文献に特化した論文要約ツール「Scisummary」
\インスタでおすすめツール32選を紹介しています/
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