【完全網羅】研究者の年収|大学、企業、公的研究機関、ポスドクまですべて公開。

「研究者」には様々な働き方があり、年収も大きく異なります。

この記事では「研究者」と呼ばれる人々の年収についてまとめています。

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研究者が働く環境

研究者が働く環境
2021年3月31日時点(総務省統計局

「研究者」として働く人々の状況は以下のように様々です。

以下でそれぞれの年収についてくわしくまとめていきます!

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大学で働く研究者の年収

大学で働く研究者は「大学教員」と呼ばれます。

大学教員は、大学や研究機関で教育と研究の両方に取り組む専門家です。

学術的な知識や専門分野の研究に取り組むだけでなく、学生の教育指導や大学の運営にも関与します。

総務省統計局によると2021年3月31日時点での大学等ので働く研究者は33万6800人

その職位は低い順に、「助教<講師<准教授<教授」となっています。

平均年収は以下のようです。

平均年齢年収(万円)
助教41.7助教の平均年収棒グラフ
講師講師の平均年収棒グラフ
准教授48.0准教授の平均年収棒グラフ
教授56.8教授の平均年収棒グラフ
教授・准教授:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
助教・講師:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」令和元年度「学校教員統計調査 給料月額別 職名別 本務教員数」より考察
あかのん

教授の平均年齢は55歳を超えてきますね

ちなみに令和3年度の文部科学省調べによると、大学教授の年収の中でも最高額は、東北大学の教授で約2260万でした。

あかのん

研究者の中でも、さらに学長や理事長などのポジションを獲得している方や講演やメディア出演などの副業を沢山行っている方は、相当な年収になります。

大学教員の年収についてさらに詳しく知りたい方はこちら>>>

  • 大学区分別(国立・公立・私立)の年収の違い
  • 国立大学の教授年収ランキング
  • 大学教員の副収入

などを加えて詳細に解説しています。

公的機関で働く研究者の年収

日本には多くの公的研究機関が存在します。

これらの公的研究機関では、それぞれの専門分野において優れた研究者が活躍しています。

2021年3月31日時点での非営利団体・公的機関の研究者は3万8200人

以下の公的研究機関では文部省から研究者の年収が公表されていましたので参考にご紹介します。

国立研究開発法人で働く研究者の年収

あかのん

他にも産総研やNICTなど有名な研究機関がありますが、この調査では公表されておりませんでしたのでご了承ください

これらの機関の研究者にも

  • 任期のない研究者
  • 任期のある研究者

が存在します。

平均年齢年収(万円)
理研54.1RIKENの平均年収棒グラフ
JAXA44.5JAXAの平均年収棒グラフ
NIMS50.7NIMSの平均年収棒グラフ
QST48.7QSTの平均年収棒グラフ
NIED49.5NIEDの平均年収棒グラフ
JAMSTEC52.8QSTの平均年収棒グラフ
理研47.8理研(年俸制)の平均年収棒グラフ
NIMS39.3准教授の平均年収棒グラフ
JAMSTEC47JAMSTIC(年俸制)の平均年収棒グラフ
任期ある
理研※41.0RIKEN任期付きの平均年収棒グラフ
JAXA※32.5JAXA任期付きの平均年収棒グラフ
NIMS43.4NIMS任期付きの平均年収棒グラフ
NIED49.1RIKEN任期付きの平均年収棒グラフ
JAMSTEC(1)※39JAMSTIC(任期付)2の平均年収棒グラフ
JAMSTEC(2)※32.7JAMSTIC(任期付)の平均年収棒グラフ
独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準(令和3年度)参照
※理研:任期付(年俸制)、JAXA:プロジェクト研究員(年俸制)、JAMSTEC(1):任期付(年俸制)、JAMSTEC(2):ポスドク研究員(年俸制)
あかのん

任期のない常用雇用の場合では平均年収が1000万を超える機関も多く、かなり高い水準です

この調査における各機関の研究者の人数はこちら

任期がない研究者

機関人数
RIKEN126
RIKEN(年俸制)238
NIMS301
NIMS(年俸制)44
NIED61
QST365
JAXA903
JAMSTEC43
JAMSTEC(年俸制)180
独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準(令和3年度)参照

任期のある研究者

雇用形態人数
RIKEN任期付(年俸制)956
NIMS任期付158
無期転換12
NIED任期付75
JAXAプロジェクト研究員(年俸制)7
JAMSTEC任期付(年俸制)28
ポスドク研究員(年俸制)18
独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準(令和3年度)参照

独立行政法人で働く研究者の年収

  1. 国立科学博物館
  2. 国立美術館
  3. 国立特別支援教育総合研究所
  4. 国立文化財機構
平均年齢年収(万円)
国立科学博物館50.2920万円
国立美術館49.0920万円
国立特別支援教育総合研究所51.0
国立文化財機構46.4
国立科学博物館45.3510
国立美術館42.6
任期ある(年俸制)
国立科学博物館44.5
独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準(令和3年度)参照
この調査における各機関の研究者の人数はこちら

任期がない研究者

機関人数
国立科学博物館57
国立美術館46
国立特別支援教育総合研究所22
国立文化財機構171
独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準(令和3年度)参照

任期のある研究者

人数
国立科学博物館5
国立科学博物館(年俸制)4
国立美術館19
独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準(令和3年度)参照

企業で働く研究者の年収

企業で働く研究者は、企業内の研究開発部門や研究所で専門知識を活かして研究活動を行う専門家です。

企業のビジネス目標や市場ニーズに基づいて、新製品や技術の開発、改善、革新に取り組みます。

2021年3月31日時点での企業の研究者は51万5500人

賃金構造基本統計調査で公表されているデータを紹介しますが、あらゆる分野、あらゆる学歴の方が混ざったデータですので、解像度が低くてすみません。

平均年齢年収(万円)
全体41.1企業研究者の平均年収棒グラフ
従業員1000名以上40.8企業研究者(1000名以上)の平均年収棒グラフ
従業員100~999名41.2企業研究者(1000名未満)の平均年収棒グラフ
従業員10~99名43.8企業研究者(100名未満)の平均年収棒グラフ
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」参照

企業の研究者は同年代の平均年収と比較すると高い水準です。

多くの企業において、給料は役職によって決められています。

あかのん

「研究員」→「主任研究員」→「課長」→「部長」とかね

大手メーカーの部長クラスの研究者ですと、年収が1000万円以上になることも少なくないようです。

ポスドクの年収

ポスドク(ポストドクタルフェロー)は、「博士号取得後に任期制の職に就いており、大学教員や主任研究員のポストについていない研究者」のことを指します。

ポスドクは、博士号取得後の専門研究の経験を積むために、大学や研究機関、企業などで任期のある(通常2〜5年程度)のポジションとして採用されます。

2018年時点でポスドクとして働く研究者は1万5400人

以下で示す平均年収は、2008年に1035名のポスドクを対象に行われた調査の結果です。

古いデータしかありませんでしたが、参考にはなるかと思います。(国からの新しい調査はこれ以降だされていませんので申し訳ありません)

平均年齢年収(万円)
全体33.0
分野別
人社33.3
理学33.0
工学32.3
農学32.7
保健34.0
その他34.5
文部科学省 科学技術・学術政策研究所 ポストドクター等の研究活動及び生活実態に関する分析(2008)

給与に関しては常勤/非常勤などの雇用形態で大きく差があります。

例えば人文系などは非常勤の割合が高いため、ポスドクとしての給与も低い計算になります。

また、2018年の調査では「社会保険に加入している」と答えたポスドクは65.9%でした。

つまり4割弱の方が社会保険なしで雇用されているということ。

あかのん

このようなポスドクの雇用環境の悪さが研究者の魅力の低下に繋がっているとされています。

ポスドクについてさらに知りたい方はこちら>>>

学振特別研究員としての年収

学振の特別研究員とは優れた若手研究者に対して国から生活費と研究を支給する制度です。

採用人数は文系理系あわせてDC1が約700名、DC2が約1100名、PDが350名/年

採択された場合にはDC1とPDは3年間、DC2は2年間の支援が受けられます。

注意】以下に示しているのは、「特別研究員として支払われる年額」です。

副収入などがある場合の年収はさらに高くなります。

あかのん

おそらくほとんどの方がTAやアルバイトなどで副収入を稼いでいます

応募資格年収(万円)
DC1採用時DC1年
DC2採用時DC2年以上
PD博士取得後5年以内学振PDの平均年収棒グラフ

また、別途研究費が受入大学を介して給付されています。

なお、DCの成績優秀者には月3万円の追加支給があります。

他にも国の政策としての若手研究者への支援はこちらをご参照ください。

まとめ

大学で働く研究者の年収

平均年齢年収(万円)
助教41.7助教の平均年収棒グラフ
講師講師の平均年収棒グラフ
准教授48.0准教授の平均年収棒グラフ
教授56.8教授の平均年収棒グラフ
教授・准教授:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
助教・講師:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」令和元年度「学校教員統計調査 給料月額別 職名別 本務教員数」より考察

国立研究開発法人で働く研究者の年収(代表機関例)

平均年齢年収(万円)
理研54.1RIKENの平均年収棒グラフ
JAXA44.5JAXAの平均年収棒グラフ
NIMS50.7NIMSの平均年収棒グラフ
QST48.7QSTの平均年収棒グラフ
NIED49.5NIEDの平均年収棒グラフ
JAMSTEC52.8QSTの平均年収棒グラフ
理研47.8理研(年俸制)の平均年収棒グラフ
NIMS39.3准教授の平均年収棒グラフ
JAMSTEC47JAMSTIC(年俸制)の平均年収棒グラフ
任期がある
理研※41.0RIKEN任期付きの平均年収棒グラフ
JAXA※32.5JAXA任期付きの平均年収棒グラフ
NIMS43.4NIMS任期付きの平均年収棒グラフ
NIED49.1RIKEN任期付きの平均年収棒グラフ
JAMSTEC(1)※39JAMSTIC(任期付)2の平均年収棒グラフ
JAMSTEC(2)※32.7JAMSTIC(任期付)の平均年収棒グラフ
独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準(令和3年度)参照
※理研:任期付(年俸制)、JAXA:プロジェクト研究員(年俸制)、JAMSTEC(1):任期付(年俸制)、JAMSTEC(2):ポスドク研究員(年俸制)

独立行政法人で働く研究者の年収(代表機関例)

平均年齢年収(万円)
国立科学博物館50.2920万円
国立美術館49.0920万円
国立特別支援教育総合研究所51.0
国立文化財機構46.4
国立科学博物館45.3510
国立美術館42.6
任期ある(年俸制)
国立科学博物館44.5
独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準(令和3年度)参照

企業で働く研究者の年収

平均年齢年収(万円)
全体41.1企業研究者の平均年収棒グラフ
従業員1000名以上40.8企業研究者(1000名以上)の平均年収棒グラフ
従業員100~999名41.2企業研究者(1000名未満)の平均年収棒グラフ
従業員10~99名43.8企業研究者(100名未満)の平均年収棒グラフ
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」参照

ポスドクの年収

平均年齢年収(万円)
全体33.0
分野別
人社33.3
理学33.0
工学32.3
農学32.7
保険34.0
その他34.5
文部科学省 科学技術・学術政策研究所 ポストドクター等の研究活動及び生活実態に関する分析(2008)

学振の特別研究員としての年収

【注意】以下に示しているのは、「特別研究員として支払われる年額」です。

副収入などがある場合の年収はさらに高くなります。

あかのん

おそらくほとんどの方がTAや講義などで副収入を得ています

応募資格年収(万円)
DC1採用時DC1年
DC2採用時DC2年以上
PD博士取得後5年以内学振PDの平均年収棒グラフ
あかのん

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