最新の論文検索AIの使い方【SciSpace, Consensus, Connected papers】

「欲しい論文がすぐに見つけられない」

「いつの間にか論文検索にこんなに時間かけてた?!」

「引用漏れしてないか不安…」

この記事ではAIを使って論文検索を劇的に改善する方法をご紹介します。

まだ研究活動にAIを導入していない方は明らかに不利…といっても過言ではないはず。

今回ご紹介するSciSpaceConsensusConnected papersは全て無料で利用できます。

※ただ、注意点としては、SciSpaceのみ有料版でないと威力が発揮できないツールなのでその点はご容赦ください。

クリックで移動

AI論文検索ツールの使い分け

私は主要な論文を検索したい場合はこのように使い分けています。

  • 日常的な論文検索には:SciSpace
  • 重要な場面で質の高い論文を探したいときには:Consensus
  • 関連論文を深堀りしたいときは:Connected papers

日常的な論文検索にはSciSpace

SciSpaceのキャッチコピー

どうして日常的にSciSpaceを使っているかというと、

文献検索だけでなくて、読解サポートまでもが超優秀だから。

「SciSpaceで論文を探す→SciSpaceでその論文を読む」というフローが最高に便利で時短です。

しかも、それだけでなくて、ライブラリー機能や執筆機能など、研究者が日常的に利用するために機能がたくさん搭載されているのでこのツールだけでPC作業が完結できる!

あかのん

使いたくなる理由しかない

SciSpaceの文献検索で何ができるかというと

  • 文章形式で検索内容を入力する
  • 検索に対して引用付きのサマリーが表示される
  • 各論文の考察と結果がリストで表示される
  • 各論文に対して深掘り質問ができる
  • 見つけた論文をSciSpaceの読解サポートを使って読む

早速、SciSpaceのトップページから検索したいクエスチョンを打ち込みましょう。

SciSpaceで文献検索をする方法1

「初期段階の肺がん患者に対する放射線療法の効果を検証した研究を探して。総説以外、5年以内、なるべく大規模なものをピックアップして」

こんな感じの文章で十分です。ChatGPTとやりとりするように盛り込みたいキーワードを気楽に文章に入れ込めばOK。

さて、実際にアウトプットを見てみましょう。

以下は「なぜ高齢のCovid患者は重篤な合併症を起こしやすいのか?(適当)」というクエスチョンを投げかけたときのアウトプット画面です。

SciSpaceで論文を探す方法:検索画面

アウトプットの画面の上部には引用付きのサマリー↓

SciSpaceで文献検索をする方法3

アウトプットの画面の下部に各論文の情報、考察、結論のリスト↓

SciSpaceで論文を探す方法:個々の論文を確認

各論文の基本情報だけでなく、内容や考察までリスト化されています。

さらに、全てが日本語に翻訳済み!

これだけのアウトプットが30秒もかからずに出てきます。驚くべきスピード感…

SciSpace曰く、2億以上の文献データベースから文献を拾ってきているそうです。

さらに便利なことに、リストの項目は選択式で検索目的に応じてお好きに編集できます。

例えば「実験手法」や「研究の限界」など。

SciSpaceで論文を探す方法:リストに項目を追加することができる

なんて、便利…(感動)

検索結果を確認するなかで、特定の論文の詳細がさらに気になった場合にはAIで個別に質問できます。

気になる論文があれば個別にAIに質問

昔のように、

文献ページに移動して、アブストラクトを読んでみたものの…「なんかこれ違うぞ!!!(落胆)」

っていう時間の無駄は一切なくなります。

あかのん

ありがとう…(泣)

文献検索で見つけた気になる論文はSciSpaceのライブラリーに取り込んでおきましょう。

ライブラリーに登録しておけば、お好きな時にSciSpaceの読解サポート機能を使って論文を読めます。

下はライブラリー内の画面です。

論文情報だけでなく、結果や方法などの各項目(編集可)がリスト化されています。

SciSpaceで関連論文を比較検討する:項目を選択する

文献管理ソフトなどで羅列された文献タイトルだけをみても、

「この論文なんだっけ?」ってなりません?

(私はなります)

ライブラリーでこんな風にリスト化されているとすごく便利ですよね。

さらに、SciSpaceの「読解サポート」では超高速で難しい論文も読み進めることができます。

(これに関しては下の記事で感動レベルの使い勝手の良さを解説しているので読んでみてくださいね)

と、まぁこのようにSciSpaceはすごくおすすめのツールなんですが、ひとつだけごめんなさい。

無料版でも使えますが、使うなら有料版にするべきであるツールです。

その理由は、無料版だと全ての機能でAIの品質が劣るので、高品質なアウトプットが得られません。

とはいえ、たった月額1,000円程度で有料版を使えますので以下の記事で解説しています。

SciSpaceの機能についてもっと知りたい方もぜひ読んでみてくださいね。

\ 魅力たっぷりなAIツールを使ってみる /

※公式HP https://typeset.io/

重要な場面で質の高い論文を探したいときにはConsensus

Consensusのキャッチコピー

SciSpaceもとても機能的なのですが、Consensusの文献検索機能はSciSpaceを凌ぐ勢いです。

Consensusの文献検索でできることは

  • 文章形式で検索内容を入力する(特にYes/Noで答えられる質問がおすすめ)
  • 検索に対して引用付きのサマリーが表示される
  • 検索結果に並んだラベルをみて論文を選別する
  • フィルタリングを用いた再検索も自由自在

Consensusは”質の高い”論文をスクリーニングして表示してくれることで定評があります。

Consensusのトップ画面

Consensusでは、おすすめの検索方法をこのように明示しています。

  • 事象間の関係について質問
    (例:「クレアチンは認知力を改善しますか?」)
  • 「はい/いいえ」で回答できる質問
    (例:「亜鉛のサプリメントでうつ病を改善できますか?」
  • ある事象の効果について質問
    (例:「移民の経済における影響は?」

筆者のおすすめは②「はい/いいえ」で回答できる質問で検索すること。

例えば適当にこんなクエスチョンを投げてみましょう。

「クレアチンは筋力を向上するか?」

Consensusの検索結果

左上にサマリー、右上にConsensus Meter、下に各論文の検索結果があります。

サマリーがついてくるのは、もはやAI検索では定番。

ここで、とても斬新なのが、Consensus Meterという唯一無二の機能です。

上位論文の結果を集計して、このようなグラフを出してくれます。

ConsensusのConsensus Meterの実例

すごいですよね…

新規分野に参入するとき、新しい実験系を構築するときなどに

「このクエスチョンに対してはどんな意見が主流なんだろう?」

という疑問が一発で解決します!

他にもConsensusはラベリング機能がとても豊富で、検索画面で研究の質や概要が分かりやすい点もすごく良い点。

Consensusの検索結果画面

ラベルの種類

  • 研究の評価:「Rigorous Journal(厳格な研究)」「Very Rigorous Journal」
  • 引用数:「Highly Cited」
  • 研究デザイン:「RCT」「Non-RCT Trial」「Case Report」など
  • 臨床研究か基礎研究か:「Animal Trial」など

このラベルがあるとすごく論文が探しやすいんですよね。

さらに、Consensusはフィルタリング機能も使いやすいん!

一例を以下の図に示します。

Consensusのフィルター一覧

このフィルター機能を大いに使って、論文を絞りに絞っていきましょう。

必ず「これだ!」という最高の論文が見つかります。

Consensusは無料でも品質の良いAI(現在はGPT-4)を利用できます。

ただし、利用には回数制限がついています。

実際に利用してみて、どうしても回数制限にひっかかってしまうようであれば有料版に切り替えることを検討してみてください。

月額だと8.99ドルから。期間限定のキャンペーンや学生割もあります。

今のところ私は無料版の範囲内で利用しています。

\ 無料版でも大活躍 /

※公式HPへ移動します

関連論文を深堀りしたいときはConnected papers

Connected papersのキャッチコピー

SciSpaceともConsensusとも全く異なる文献検索AIツール「Connected papers」!

このツールがほんっとにすごい。

  • 関連文献をネットワークで視覚化
  • 円同士の距離で関係の深さを表す
  • 円の大きさは引用数の多さを表す

「引用漏れがないように、論文の参考文献から芋づる式に論文を掘り出す」

なんて、気の遠くなる作業を昔は行っていましたよね。

かなり時間をかけても重要論文を引用漏れしてしまうことだってありました。

現代であればConnected papersで一撃で終わります!

まずはトップページから論文をアップロード。

Connected Papersのトップページと論文のアップロード方法

元論文を中心に、関連する論文を視覚化してくれます。

円の距離は関係の深さ、円の大きさは引用数の多さを表しています。

円の大きいものを引用し忘れていたらぜひチェックを。

Connected Papersの検索結果画面(関連する論文を可視化)

リスト化して詳細もみれます

Connected Papersの検索結果画面(リスト化して詳細も一目瞭然)
あかのん

Research Rabbitともよく似ていますよね

少し違う点は、Research Rabbitの場合は円の距離に意味を持っていないところでしょうか。

そして、Connected papersでは月に5つのグラフ作成までは無料です。

もしそれ以上のグラフを作成したい場合は、年間プランで月額700円弱です。(為替で変動しているので随時要チェック)

\ 月にグラフ5つまでは無料 /

※公式HPへ移動します

AIで論文を検索するメリット

これまでの論文検索はキーワードを複数入力して欲しい文献をヒットさせる形でした。

これがとても大変でですよね…(下のリストに続く)

  • 検索意図が伝わりにくく、検索結果がカオス
  • 同義語でもキーワードの選択が違うだけで検索結果が異なる(例:CO2とcarbon dioxide)
  • タイトルだけの文献検索結果をひたすらスクロールして、死に物狂いで探す
  • 良さそうな文献ページを開いてアブストラクトを読んでみるもののなんか違う…(落胆)

このようにものすごく時間がかかる面倒な作業でした。

しかし、AI時代が到来し、何倍も何十倍も楽にできるようになりました!

まとめ

今回は文献検索にかかる時間を節約するための活用術についてまとめました!

他にも論文関係のツールをまとめた記事がありますので、ぜひご覧ください。

\文献検索ツール/

STEP
日常的な論文検索にはSciSpace
STEP
重要な場面で質の高い論文を探したいときにはConsensus
STEP
キーとなる論文から関連論文を深堀りしたいときはConnected papers
あかのん

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